【脊髄損傷とは】~ある日突然、体が動かなくなるという現実~
脊髄損傷(せきずいそんしょう)とは、交通事故や転倒、スポーツ中の事故などにより、
背骨の中を通っている「脊髄(神経の束)」が損傷されることで、手足の麻痺や感覚障害などが起こる状態です。
症状の重さや回復の可能性は損傷部位や程度によって異なります。
脊髄ってなに?

脊髄は脳からの命令を体に伝える「情報の通り道」です。
背骨の中を通っており、頸椎(けいつい)・胸椎(きょうつい)・腰椎(ようつい)・仙椎(せんつい)に分かれています。
損傷の高さによって、手足や体幹すべてが麻痺する場合もあれば、下半身だけが麻痺する場合もあります。
また、損傷部位から下が全く機能しなくなる「完全損傷」と部分的には機能する「不全損傷」にも分類されます。
主な原因
• 交通事故
• 高所からの転落・転倒
• スポーツ外傷(ラグビー、体操など)
• 脊椎の病気(腫瘍、炎症など)
症状

• 運動麻痺:手足が動かせない、筋力が低下する
• 感覚障害:触っても感じない、痛みや温度がわからない
• 膀胱直腸障害:尿・便の排泄コントロールが難しくなる
• 自律神経の障害:発汗、血圧のコントロールが難しくなる
• 痛み・けいれん:神経の異常による痛み(神経障害性疼痛)
治療とリハビリテーション
■ 急性期(直後の対応)
• 手術による骨の安定化、圧迫の解除
• ステロイド治療や内科的管理
• 呼吸や血圧などの生命維持管理
■ 回復期・生活期
• 理学療法:筋力維持、座位・起立訓練、移乗・歩行訓練など
• 作業療法:食事・着替え・トイレなどの生活動作の練習
• 福祉用具や環境整備:車いす、手すり、スロープ、住宅改修など
• 心理的サポート:気持ちの整理、社会復帰への支援
生活への影響と支援
脊髄損傷は身体機能だけでなく、精神面・社会的な役割・家族関係にも影響を及ぼします。
しかし、適切なサポートとリハビリによって、多くの方が自分らしい生活を取り戻しています。
• 就労支援や学校復帰支援
• 障害者手帳や公的支援制度の活用
• 地域の福祉サービスとの連携
まとめ
脊髄損傷は突然起こる大きな変化ですが、「できないこと」ではなく「できること」に目を向ける支援が大切です。
医療・リハビリ・福祉の専門職がチームとなり、本人とその家族を支えていきます。
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