肩関節周囲炎(五十肩)の回復期間とガイドラインに基づく解説
肩関節周囲炎(五十肩)の回復には個人差がありますが、一般的に1~2年かかるとされています。
日本整形外科学会や海外の臨床ガイドライン(American Academy of Orthopaedic Surgeons: AAOS など)を参考に、回復期間の目安を解説します。
肩関節周囲炎の回復期間(各期の目安)
肩関節周囲炎は**「炎症期」「拘縮期」「回復期」**の3段階を経て、自然回復することが多いです。
病期・期間の目安・主な症状
炎症期(Freezing),2~9か月,強い痛み(特に夜間痛)、肩の違和感、徐々に可動域が低下
拘縮期(Frozen),4~12か月,痛みは軽減するが、肩が硬くなり可動域が大きく制限される
回復期(Thawing),5~24か月,徐々に可動域が改善し、肩の動きが回復する

ガイドラインに基づく回復期間の解説
日本整形外科学会の見解
• 自然経過をたどると、ほとんどの患者は1~2年以内に改善
• ただし、適切なリハビリを行うことで回復を早めることができる
• 夜間痛が強い場合は鎮痛薬や関節内注射を併用することも選択肢
AAOS(米国整形外科学会)ガイドライン
• ステージごとの治療戦略を推奨
• 炎症期(痛みが強い時期):薬物療法+ストレッチを開始
• 拘縮期(動きが悪くなる時期):積極的な可動域訓練
• 回復期(動きが戻る時期):筋力トレーニングを強化
➡ 適切な介入をすれば、6か月~1年で回復を促進できる可能性がある
NICE(英国国立医療技術評価機構)ガイドライン
• 物理療法(温熱、電気刺激)と運動療法の組み合わせが有効
• 肩の拘縮が重度の場合は、関節鏡手術を検討することもある
• 痛みの強いケースでは、早期のステロイド注射が推奨される
➡ 1年以内に改善しない場合は、追加の医療介入を検討
早期回復のためのポイント
✔ 痛みを我慢せず、早めに医療機関を受診する
✔ 炎症期は安静にしつつ、無理のない範囲でストレッチ
✔ 拘縮期は積極的に可動域を広げるトレーニングを実施
✔ 回復期は筋力強化を行い、再発を防ぐ
まとめ
✅ 肩関節周囲炎は通常1~2年で回復するが、適切なリハビリで6か月~1年に短縮可能
✅ 日本整形外科学会やAAOSのガイドラインでも、リハビリの重要性が強調されている
✅ 痛みの管理+可動域訓練を適切に行うことで、より早く改善できる
回復を早めるためには、適切な治療とリハビリが重要です。
症状が気になる場合は、早めに医療機関で相談しましょう!
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