【頸髄損傷】損傷レベルと残存機能を解説

頸髄損傷のそれぞれのレベルでの残存筋、残存機能、および可能な動作について解説します。

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主な運動・筋肉と脊髄神経支配

頸髄損傷 残存機能

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損傷レベルによる残存機能

「C5レベルの頸髄損傷」という場合、「C5」の神経支配である三角筋や上腕二頭筋は残存し、

「C6」の神経支配である上腕三頭筋・手関節屈筋群・伸筋群から下の機能が障害されます。

つまり、「◯◯レベルの損傷」とは、「◯○レベル」までは残存している。

と解釈出来ます。

C3損傷

残存筋: C3損傷の場合、主に頸部の筋肉が残存します。しかし、手や上肢の筋肉の制御はほとんどありません。

残存機能: 呼吸が困難で、通常は人工呼吸器の支援が必要です。死亡に至ることもあります。

四肢の動きは制限されており、下肢の運動機能はありません。

可能な動作: プッシュアップや移乗、座薬挿入、食事、トイレ、車椅子自走などの動作は、C3レベルの損傷では自力では行うことができません。

日常生活の様々な活動には他者の介助が必要です。

C4損傷

残存筋: C4損傷では、横隔膜の機能は残存します。頸部の筋肉の一部が残存します。

特に頸部の制御が比較的良好です。

残存機能: 自発呼吸が可能ですが、肋間筋の麻痺の影響で制御困難。四肢の動きは制限されており、下肢の運動機能はありません。

可能な動作: 頸部の運動が可能なため、訓練により電動車椅子の操作が可能となります。

C5損傷

残存筋: C5損傷では、肩と上腕の筋肉の一部が残存します。特に肩や上腕の屈曲、外旋が可能です。

残存機能: 呼吸には制約はありますが、自発呼吸が可能です。四肢の動きは制限されますが、一部の腕の動作が制御可能です。

可能な動作: C5レベルの損傷では、以下のような動作が可能です。

  • プッシュアップ: 上腕の筋肉の一部が残るため、床や壁に対して一定の押し力を発生させることができます。ただし、全体の安定性やバランスには支援が必要です。
  • 移乗: 車椅子からベッドや椅子への移動が可能です。上腕の筋肉を使用して自分自身を持ち上げることができますが、他者の支援が必要な場合もあります。
  • 座薬挿入: 上腕の筋肉を使用して、薬を持っている手を肛門に近づけることができます。しかし、手や指の細かい制御は制限されているため、正確な操作には支援が必要です。
  • 食事: 上腕の筋肉を使用して、食器や食べ物を持つことができます。一部の食事の自己摂取が可能ですが、切るやすりつぶすなどの補助具や他者の支援が必要な場合もあります。
  • トイレ: 車椅子からトイレに移動し、衛生用具を使用することができます。一部のトイレの使用が可能ですが、自立的な動作には支援が必要です。
  • 車椅子自走: 上腕の筋肉を使用して、手動車椅子を推進することができます。しかし、上肢の筋力には制限があり、長距離の移動や困難な地形では支援が必要です。

C6損傷

【残存筋】

上腕二頭筋(Biceps Brachii): 上腕部の筋肉で、肘を曲げる(屈曲)動作を担当します。この筋肉が残存している場合、患者は肘を曲げることができます。

上腕三頭筋(Triceps Brachii): 上腕部の筋肉で、肘を伸ばす(伸展)動作を担当します。C6レベルの損傷では、この筋肉の制御が一部残存することがあります。

指の曲筋(Flexor Digitorum Superficialis): 手のひら側にある筋肉で、指の曲げる動作を担当します。C6レベルの損傷では、この筋肉が一部残存することがあります。したがって、患者は指を曲げることができます。

指と手首の伸筋(Extensor Muscles of Fingers and Wrist): 手の甲側にある筋肉で、指と手首の伸展動作を担当します。C6レベルの損傷では、これらの筋肉の制御が一部残存することがあります。

これらの残存筋を利用することで、C6レベルの頸髄損傷の患者は一部の手の動きや機能を保持することができます。

しかし、筋力や制御が制限されているため、細かな動作や重い物の取り扱いなどには支援が必要な場合があります。

【可能な動作】

自己介助:食事: 食器やカトラリーを使って自分で食事をすることができます。指の曲筋を使ってフォークやスプーンを握り、上腕二頭筋や上腕三頭筋を使って食物を口に運ぶことができます。

身の回りのケア: 歯磨き、洗顔、髪のセットなど、身の回りのケアを一部自分で行うことができます。指の曲筋を使ってブラシやコームを握り、上腕の筋肉を使って動かします。

服の着脱: 患者は、自分で上着やパンツ、靴などの一部の衣類を着脱することができます。上腕二頭筋や上腕三頭筋を使って、衣類のボタンを留めたり、ジッパーを開閉したりすることができます。

トイレ: トイレに行く際に一部の自己介助が必要ですが、自分で車椅子からトイレに移動することができます。また、用を足す際には、手を使って衛生用品を操作することができます。

入浴: 患者は、浴槽やシャワールームに入ることができます。上腕二頭筋や上腕三頭筋を使って、体を洗ったり、シャワーヘッドを操作したりすることができます。

小物の操作: 患者は、鍵や携帯電話、リモコンなどの小さな物体を一部操作することができます。指の曲筋と指と手首の伸筋を使って、指先の制御を利用します。

C7損傷

C7レベルの頸髄損傷では、上肢の筋肉の大部分が残存します。以下は、一般的に残存する筋肉の例です。

上腕二頭筋(Biceps Brachii)と上腕三頭筋(Triceps Brachii): 肘の曲げ伸ばしを担当する筋肉。

指の屈筋(Flexor Digitorum Superficialis)と指の伸筋(Extensor Muscles of Fingers): 手の指の曲げ伸ばしを担当する筋肉。

手関節伸筋(Extensor Carpi Radialis Longus/Brevis)と屈筋(Flexor Carpi Radialis): 手首の伸ばしと曲げを担当する筋肉。

【日常生活で可能な動作】

食事: 食事の準備や食事自体を独力で行うことが可能です。カトラリーや食器の持ち方に一部制限がある場合もありますが、基本的な食事は自分で摂ることができます。

身の回りのケア: 歯磨き、洗顔、髪のセット、着替えなどの身の回りのケアを一部自分で行うことができます。

キーボードやスマートフォンの操作: 指の曲筋と指の伸筋を使って、キーボードやスマートフォンの操作ができます。

書字: 筆記具を握って文字を書くことができます。握るやすくするグリップや自助具が必要な場合が多い。

小物の操作: 指の曲筋と指の伸筋を利用して、小さな物体やボタンを操作することが出来ます。

自己排尿: C7レベルの患者は、自分で車椅子からトイレに移動し、自己排尿が可能です。

車椅子操作: 上腕の筋肉を使って車椅子を操作し、自分の意思に基づいて移動することができます。

車の運転: 適切な修正や補助装置を使用することで、C7レベルの患者は車の運転を行うことができます。

C8損傷

【残存筋】

C8損傷では、指の曲げ伸ばしの筋肉に加え、手内在筋が残存するため、より指の細かい操作が可能となります。

【可能な動作】

身の回りの動作はほぼ自立して可能です。

体幹・下肢の麻痺は残るため、完全麻痺の場合は車椅子での移動となることがほとんどです。

まとめ

重要な点として、個々の患者の状態や損傷の範囲によって、具体的な能力は異なる場合があります。

また、リハビリテーションや補助具の使用によって、日常生活での独立性を向上させることができます。

個別の評価と治療計画は、医師やリハビリテーション専門家との相談に基づいて行う必要があります。

上記の動作は、個人の具体的な状態や回復の程度によっても異なる場合があります。

リハビリテーションや補助具の使用など、適切なサポートとトレ

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homereha

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