心不全患者のリハビリにおける適切な運動負荷と注意点を徹底解説

心不全は心臓のポンプ機能が低下する疾患であり、適切なリハビリは症状の悪化防止や生活の質(QOL)の向上に重要です。

しかし、心不全患者は運動負荷の設定を誤ると状態が悪化するリスクがあります。

本記事では、心不全患者のリハビリにおける適切な運動負荷の計算方法と注意点について詳しく解説します。

また、「運動後に脈拍は変わらず、血圧だけが上がる場合の原因」についても解説します。

運動後に脈拍が変わらず、血圧だけが上がる原因

心不全患者では、運動負荷に対して脈拍が反応しない一方で血圧だけが上昇するケースがあります。

この現象は以下の原因が考えられます。

クロノトロピック・インコンピテンス(CI)

クロノトロピック・インコンピテンスとは、運動時に心拍数が適切に上昇しない状態です。

原因】

• 洞結節の異常 → 心拍調節が鈍化。

• β遮断薬などの薬剤影響。

• 自律神経機能の低下。

特徴】

• 運動負荷に対して脈拍が上がらない

• 心拍数が固定されているにもかかわらず、血圧は上昇。

対処】

• 心不全患者のCIは予後悪化のリスク因子であり、医師による評価と薬剤調整が必要です。

末梢血管抵抗の上昇

心不全患者では運動時に末梢血管抵抗が異常に上昇することがあります。

原因】

• 心拍出量が増加しないため、代償的に血圧が上昇。

• 自律神経機能の異常で血管収縮が過剰になる。

特徴】

• 脈拍は変わらないか僅かな変動に留まる。

• 収縮期血圧のみ上昇。

対処】

過剰な血圧上昇は危険であり、運動は中止。

• 医師による血圧管理が必要。

β遮断薬の影響

心不全患者ではβ遮断薬(βブロッカー)が処方されることが多いです。この薬は心拍数の上昇を抑制します。

特徴】

• 運動しても心拍数が上がりにくい。

• 血圧は上昇するが脈拍はほとんど変わらない。

対処】

• β遮断薬服用中の患者は心拍数ではなく自覚症状と血圧で負荷を評価します。

• 医師と相談のうえ、運動負荷を調整。

心不全の重症化

進行した心不全では、心拍出量が低下し、運動時の代償機構が機能不全になります。

特徴】

• 心拍数が上がらず、血圧のみが上昇。

• 動悸や息切れが強くなる。

対処】

安静時にも症状がある場合は注意が必要

• 重症化の兆候であれば医療機関へ相談。

心不全患者における適切な運動負荷の計算方法

心不全患者のリハビリでは心拍数、酸素消費量(VO2)、自覚的運動強度などを指標に運動負荷を設定します。

心拍数(HR)を基準にした負荷設定

「最大予測心拍数(HRmax)」をもとに目標心拍数を計算します。

計算式】

HRmax = 220 − 年齢

目標心拍数】

• 軽度負荷:HRmax × 40~50%

• 中等度負荷:HRmax × 50~60%

例:

70歳の患者の場合

HRmax = 220 − 70 = 150拍/分

• 軽度負荷 → 150 × 0.4~0.5 = 60~75拍/分

• 中等度負荷 → 150 × 0.5~0.6 = 75~90拍/分

カルボーネン法で予備心拍数(HRR)を考慮した負荷設定

カルボーネン法は安静時心拍とHRmaxを考慮し、個別化された負荷設定が可能です。

計算式

目標心拍数 = (HRmax − 安静時HR) × 目標運動強度 + 安静時HR

目標強度】

• 軽度負荷 → 40~50%

• 中等度負荷 → 50~60%

例:

70歳、安静時心拍数60拍/分の場合

HRmax = 150拍/分

軽度負荷 →

(150 − 60) × 0.4 + 60 = 96拍/分

(150 − 60) × 0.5 + 60 = 105拍/分

96~105拍/分が目標心拍数

リハビリ中の注意点

心不全患者のリハビリでは、バイタルサインと自覚症状のモニタリングが欠かせません。

🚫 1. 中止基準

以下の症状が出た場合は運動を中止します。

• 胸痛や圧迫感がある。

• 強い息切れ、不整脈。

収縮期血圧180mmHg以上または90mmHg未満

酸素飽和度85%未満

• めまいや失神感。

まとめ

心不全患者のリハビリでは、適切な運動負荷と慎重なモニタリングが重要です。

運動後に脈拍が変わらず血圧だけが上がる原因:

クロノトロピック・インコンピテンス末梢血管抵抗の上昇が主な要因。

運動負荷の計算:

• 心拍数、カルボーネン法、RPPで適切な負荷を設定。

中止基準:

• 異常なバイタル変動があれば直ちに中止。

心不全患者には無理のない負荷で安全なリハビリを継続することが重要です!

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